グランプリ

株式会社パプアニューギニア海産

フリースケジュール

従業員が会社のことを嫌いでなくなること、自分の生活を大事に争いのない職場にすることを目指し、一人一人が満足できる働き方を実現すべく、職場環境の改善を実施。従業員全員と面談を繰り返した末に辿り着いたのが、好きな日に出勤ではなく、好きな日に休むことができる『休みやすい会社にする』ということであった。パート従業員のシフト制をやめ、好きな日に連絡なしで出勤・欠勤するシステムを採用し、工場営業時間の間は、出勤は1分単位、退勤は30分単位で自由。退勤時間は出勤時にホワイトボードにて申告、休憩も好きな時間に好きなだけとることができ、全てにおいて報告は禁止としている。時間に縛られないことで、子育て中の人や障害を持った人なども自分の生活を大事にすることができる働きやすい職場となった。2016年に出勤日・時間ともに自由にしてから誰も出勤しなかった日はなく、勤務形態による欠品もない。2020年は離職率0%であり、ベテラン従業員が増えることで作業効率・品質が向上した。現在23名のパート従業員全員に同システムを適用している。

講評

東日本大震災を機になぜ働くのかを根本から問い直し、従業員一人ひとりとじっくり話した末にできた、パート従業員が好きな日に連絡なしに出勤・欠勤できる制度を構築。審査会では、これで工場は回るのだろうか、全員が出勤しないような事態は起きないのだろうか、と心配する議論もあったのですが、結果的に離職率が0になったということは非常にうまく機能しているのだと思います。
それは工場長や会社側が働き手の生活や気持ちをとことんまで理解しようと努められたからでしょう。子どもの体調などで突然休まなければならない時、「休みます」のひと言がどれだけ言いにくいか。そんな細やかな配慮が、結果的に従業員の自律性、モチベーションを引き出しています。
今回の審査過程では今の時代に必要なのは、「働き方の民主化」「働き手の主体性」だとされました。パプアニューギニア海産は、究極の管理しないマネジメントによって、この2つを実現させた点が高く評価されました。(浜田 敬子)

キャリア部門

働く人の成長やキャリアアップにつながる試み。

パーソルキャリア株式会社

社員がつながり、成長を支援しあうコミュニティで社内を活性化。「タニモク」×「モクサポ」プロジェクト

コロナ禍によって、本格的にリモートワークが始まった中で、社員同士のコミュニケーションの減少や中途入社者の孤立など、「社員同士の関係性」に関する問題が組織で挙がってきた。そこで立ち上がったのが社員の有志で立ち上げたワークショップ「タニモク」とコミュニティ「モクサポ」という社内活性プロジェクト。「タニモク」は、3~4人で目標をたてあうワークショップで、目標をたててもらうひと(=主人公)が現状を相手に伝え、相手は「自分だったら」という主観で主人公の目標をプレゼンする。主人公は得られたアイデアを用いて、具体的な目標をたてる。これにより、主人公は自分が気づかなかった目標や行動の選択肢が得られる。また、目標を立てあった社員同士が部門間を超えて目標を共有し、行動を支援するコミュニティが「モクサポ」である。2020年9月からスタートして参加者も増え、「タニモク」実施回数は延べ7回、2021年8月時点で「モクサポ」コミュニティメンバーは80名規模に。現在はタニモクを体験した社員が現場に持ち返り、全国で「タニモク」が自発的に開催されており、社員同士の支援の繋がりによるパフォーマンスの向上や、今後のキャリアや働き方を考える機会を創出している。

講評

コーチングをベースとする対話の重要性は、1on1ミーティングの浸透とともにだいぶ日本企業の中で意識されてきているが、1対1だとどうしてもコーチ役の力量が問われるし、場合によっては話し手、聞き手双方にとって苦痛にもなりかねない。「タニモク」はこれをオープンな場で気軽に取り組めるように、しっかりと考えられフォーマット化されているのがまず素晴らしい。加えて、目標を立てたら実行だが、成果につなげるためにフォローしあう体制が必要だ。それをモクサポというコミュニティで行うと。本当によく考えられているし、この2つをきちんと行えば成果につながるのがわかる。全国のあらゆる会社で展開してほしい、と心から願う。(伊藤 羊一)

ワークスタイル部門

柔軟な勤務時間など多様なワークスタイルを推奨する試み。

株式会社パプアニューギニア海産

フリースケジュール

従業員が会社のことを嫌いでなくなること、自分の生活を大事に争いのない職場にすることを目指し、一人一人が満足できる働き方を実現すべく、職場環境の改善を実施。従業員全員と面談を繰り返した末に辿り着いたのが、好きな日に出勤ではなく、好きな日に休むことができる『休みやすい会社にする』ということであった。パート従業員のシフト制をやめ、好きな日に連絡なしで出勤・欠勤するシステムを採用し、工場営業時間の間は、出勤は1分単位、退勤は30分単位で自由。退勤時間は出勤時にホワイトボードにて申告、休憩も好きな時間に好きなだけとることができ、全てにおいて報告は禁止としている。時間に縛られないことで、子育て中の人や障害を持った人なども自分の生活を大事にすることができる働きやすい職場となった。2016年に出勤日・時間ともに自由にしてから誰も出勤しなかった日はなく、勤務形態による欠品もない。2020年は離職率0%であり、ベテラン従業員が増えることで作業効率・品質が向上した。現在23名のパート従業員全員に同システムを適用している。

講評

東日本大震災を機になぜ働くのかを根本から問い直し、従業員一人ひとりとじっくり話した末にできた、パート従業員が好きな日に連絡なしに出勤・欠勤できる制度を構築。審査会では、これで工場は回るのだろうか、全員が出勤しないような事態は起きないのだろうか、と心配する議論もあったのですが、結果的に離職率が0になったということは非常にうまく機能しているのだと思います。
それは工場長や会社側が働き手の生活や気持ちをとことんまで理解しようと努められたからでしょう。子どもの体調などで突然休まなければならない時、「休みます」のひと言がどれだけ言いにくいか。そんな細やかな配慮が、結果的に従業員の自律性、モチベーションを引き出しています。
今回の審査過程では今の時代に必要なのは、「働き方の民主化」「働き手の主体性」だとされました。パプアニューギニア海産は、究極の管理しないマネジメントによって、この2つを実現させた点が高く評価されました。(浜田 敬子)

コミュニティサロン と和(株式会社社会起業家パートナーズ)

19種類の働き方

長時間労働、低賃金といった劣悪な労働環境により、早期離職や美容師自体を辞める傾向にある美容業の雇用環境の整備の遅れ問題に対して一石を投じるべく、19種類の雇用形態・給与体系を用意。独身、結婚、妊娠、産休・育休、子育て、親の介護など、女性のライフステージに合わせて、働き方は6ヵ月毎に変更が可能で、19種類の働き方から、雇用形態・給与体系などを選ぶことができる。「土日勤務の有無」「1週間の出勤日数」「1日の労働時間」「給与」をフローチャートで作成することで、19種類の雇用形態・給与体系を分かりやすくしている。また、ノー残業デーの導入や施術終了20分後までに退社といった残業削減の取組み、勤務間インターバル制度等による働き方の改革、ボランティア休暇制度等による休み方の改革など、働き方改革・休み方改革・両立支援の三つの側面から雇用環境を整備。雇用環境の整備によって、社会的課題であるママ美容師・休眠美容師の雇用にも積極的に取り組んでいる。

講評

「19種類の働き方」というタイトルと内容を拝見して、経営者の執念や、何がなんでもやりぬくぞ、という気迫が感じられた。美容業界は労働環境が厳しく、せっかく夢や想いをもって就業した人たちが、ハードな環境に苦労するばかりでなく、美容師自体をやめることも多いと聞く。それを打破するためには業界の「常識」を打ち破るチャレンジと成果が不可欠だが、それを実現したのは先に述べた経営者の執念や気迫と、実効性のある施策だ。具体的な取り組みにより長時間労働は激減し、有給休暇の取得も進み、さらなる取り組みに向かわれている。所属する美容師さんたちの働きがいは確実にアップしていると思う。この取り組みは業界の希望だ。(伊藤 羊一)

ワークプロセス部門

不要なワークプロセスの削減。あるいは、必要なワークプロセスの開発。

GMOインターネットグループ

さよなら印鑑キャンペーン

GMOインターネットグループは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、在宅勤務体制に移行し、在宅勤務期間中にグループ各社の従業員を対象としてアンケートを実施した。その結果、押印手続きのために出社をする、「ハンコ通勤」の事態が多くあることが判明した。このような背景を受け、業務効率化やリモートワーク支援、電子契約の普及・発展を推進するため、「さよなら印鑑キャンペーン」と題し、脱ハンコに対する賛否の意見や”無駄ハンコ”についてのエピソードを募集する『みんなの”無駄ハンコ実態調査”2020』を実施。多くの方に脱ハンコについて考えていただくきっかけづくりを行った。また脱ハンコの実現を後押しすべく、グループ会社のGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を活用した官民への支援を実施。民間企業に対しては、最大1年間の「電子印鑑GMOサイン」の無償提供を開始。官公庁・自治体に対しては、「さよなら印鑑~1億総デジタルプロジェクト~」と題して、同サービスを最大1年間無償提供するキャンペーンを実施。結果として、「さよなら印鑑キャンペーン」では最終的に約8万6,000票の投票数を集めるなど、脱ハンコに関する大きな反響を得ると共に、「電子印鑑GMOサイン」の提供を通じて日本の80自治体・企業31万社(2021年9月)の脱ハンコ実現をサポート。

講評

日本に初めて緊急事態宣言が出た2020年4月、これからどのようになるのかは誰にもわからず、全国民が不安を抱えながら目の前のことで精一杯だったと思います。そのような中でいち早く押印に関する非合理に着目し、自社内だけでなく外部へもその影響力を発揮されました。これまで当たり前だった各種書類への押印はオフィスへの出社が必須となり、それだけのために出社を必要とした方も多かったと思います。同年の冬には政府も押印の廃止を打ち出していますが、コロナ禍初期の2020年4月に実施されたスピード感には敬意を表します。大手企業が率先して打ち出してくださったことで、他社も続きやすくなったと思います。これからも、お手本でいてください。(副島 智子)

ニューカルチャー部門

従業員を含めた組織全体の働く意識やカルチャーを変える試み。

株式会社リブセンス

Q by Livesense

リブセンスは社会課題をITの力で解決することを目指している。取り組み前、従業員に「事業部愛」はあったが「会社愛」はあまりなく、会社としてのアイデンティティを改めて確立する必要があった。時を同じくして、それまで芳しい成果を上げられずにいた広報ブログを改善したいというニーズがあった。
広報チームでどのようなメディアを目指すか話し合い、さまざまなオウンドメディア事例を参考に、目指したい姿について検討した。バズを目指さず、読まれやすい字数などのセオリーも捨て、等身大で伝えること。それから「リブセンスを」紹介するのではなく「リブセンスによって」紹介することを目指し、2020年12月、問い続ける時代の企業ブログ『Q by Livesenese』をローンチした。縦書き、長文、写真なしというスタイルで、会社から見える社会課題について読者に問いを投げかけるコンセプトの企業ブログができあがった。社内外からの反響は大きく、一記事あたりの平均PVは約10倍に。また、記事を読んだ従業員から「こういうメディアがあることが、私がここで働いている理由」といった声も寄せられ、従業員自身が「働く」ことの意味を再発見しつつある。

講評

とかく自社の宣伝、採用目的のコンテンツが並びがちなオウンドメディアで、ここまで「面白く」「読ませる」ものができるのか、という驚きがありました。面白いだけでなく、働き方や、ジェンダーや障害者の問題にまで深く考えさせられるテーマにも切り込み、新しい企業のオウンドメディアのあり方を示している点が評価されました。今企業の社会的な責任の範囲は広がっています。働き方や採用に関する考えだけでなく、社会で議論されている問題についても、その企業がどんな価値観を持っているのかが問われています。ホームページで企業理念として示すだけでなく、コンテンツ化し、面白いメディアをつくることでより広く伝わり、結果的にはその企業のブランド価値も高める、そんな可能性を示したと思っています。(浜田 敬子)

株式会社キャスター

実在しない人事担当「遠藤ひかり」が業務を遂行

毎月多数の新入社員が入社する関係で、人事担当者宛には入社時の契約や就業規則について、毎回同じような質問が繰り返されていた。多くの内容がマニュアル化できており、テンプレートをもとにした対応で事足りていた。そのような中、同じことを発信するのに、担当者は一人でないといけないのか?という疑問が出てきた。こうした課題に対し、実在しない架空の人物を設定し、複数名が運用するという手法を実施。実在しない架空の人物「遠藤ひかり」を設定。複数人の人事担当者がこの「遠藤ひかり」アカウントを運用し、人事の契約・更新手続き等の窓口業務を担当した。社内ではいつの間にかその実情を知る人もいれば、知らぬままの人もいた中、2021年4月にこの内容がウェブメディアに掲載されたことで、反響を呼び、会社運営において、一人の人格を複数名で運用する手法は合理的であるなどといった意見が上がった。担当者が休暇時や退職した場合も、継続的に一定の質を保った対応が可能であるほか、人格を持たせることで心理的安全性を担保し相談のハードルを下げ、情報の一元化管理につなげている。

講評

以前、とある歌手の方が、芸名と本名を分けることで、世間からの批判を自分へのものではなく、自分のした仕事へのものだと捉えることができ、自らの心を守ることができた、とおっしゃっていたのが非常に印象に残っています。労務・総務といった、属人化しやすくかつ迅速な対応が必要な窓口業務は、得てして深夜や休日の対応といった帰結へと繋がりやすいですし、その上クレームや交渉対応など精神的に負荷がかかりやすいものも少なくありません。そんな中、個人に依存する業務を、架空の人物にゆだねることで、チームで情報共有をしながら運用していくことができるなど、働き方の当たり前を変えていくようなクリエイティブな提案だと感じています。(龍崎 翔子)

エンプロイー ベネフィット部門

給与・福利厚生・報酬など従業員が享受するベネフィットに関する試み。

株式会社ガイアックス

従業員が事業部を法人化し、株式・オーナーシップを持つ「カーブアウト・オプション制度」

従業員がどれだけリーダーシップを発揮しても、経営のオーナーシップを持つことは難しく、労働のリターンを十分に享受できずに社員が退職する課題や、社内では意思決定権やスピード感を得られず経営スキルが育ちにくいという課題に対し、全事業部のリーダーやメンバーが自らの意志で事業を法人化できる独自の制度「カーブアウト・オプション制度」を作り導入。事業リーダーが申請すれば、事業を子会社化することができ、また、事業メンバーに対して全株式の50%のストックオプションが付与される「会社に所属しながらにして自分の事業を一部自分の会社にできる」制度。同オプションの活用により、事業部を運営するチームメンバーは株式の少なくとも3〜4割を所有できる。さらに議決権の所有や第三者からの資金調達はもちろん、報酬を配当か給与にするかの決定に至るまで、事業に関する全ての意思決定を事業部で行うことも可能に。この制度の活用が進み、メンバーのオーナーシップの高まり、メンバーの働きがい、モチベーション、キャリアや金銭的報酬においてベネフィットがもたらされ、アントレプレナーシップをもつ社員が、退職ではなく社内起業を選択するように。2020年に同制度を活用したアディッシュ株式会社が東証マザーズに上場、2021年にEDGE株式会社が資金調達によりMBOするなどの成果につながっている。

講評

日本の企業では「雇われて働いている」という感覚が強い、と言われていますが、それは企業にとっても本人にとっても非常に勿体無いことだと常々感じています。「雇われ」じゃなくなる体系を、ただの新規事業としてでなく、キャピタルゲインも得られる法人化制度として実現しているのは極めて本質的だと感じます。従業員側のオーナーシップを抱きやすく、また良質な人材を獲得しやすいなど、会社側にとってのメリットもある仕組みを制度として作り上げられており、実際にIPOしている企業も複数あるなど、大きな成果を残している点が審査員から評価されました。(龍崎 翔子)

ダイバーシティー&インクルージョン部門

性別・年齢・能力・国籍などに関わらず、様々な人が心地よく働くための試み。

株式会社オリィ研究所

分身ロボットカフェDAWN ver.β

「すべての人に社会とつながり続ける選択肢を」をテーマに、ALSなどの難病や重度障害で外出困難な人々が分身ロボットの遠隔操作を行い、カフェのサービススタッフとしての就労にチャレンジするプロジェクト。開発された「分身ロボットOriHime」は、老若男女・障害の有無を問わず操作ができ、外出困難状態であっても就労を可能にする。カメラ・マイク・スピーカーという入出力装置に加え、身振り手振りという非言語をも使いこなし、このジェスチャーが生み出す「リアクション」は、話者同士が離れた空間に居てもあたかもそこにいるかのような「存在の手触り」を作り出している。2018年より「働き方改革とは働かせ方改革なのである」という信念のもと、テクノロジーによって「動けないが働く意欲がある人々」を「動けないが働ける人々」にする実験とチャレンジを繰り返し、合計4回のテストを経て、2021年6月遂に常設店の開店に至った。重度障害者に一時的な雇用の場を作るばかりではなく、カフェでの勤務経験を買われて一般企業へと就職するケースも多数生むモデルケースとなった。

講評

「働く」ことは有機的に社会と繋がりを持つという側面がありますが、身体的、あるいは社会的な理由でそれが難しい、あるいは難しくなった方が少なからずいらっしゃいます。そうした分断を素晴らしい理念とテクノロジーを用いて解決しているのがオリィ。「働く」ということが、より包摂的であり、さらに社会課題の解決にもつながり得るということを示してくれた素晴らしい取り組みだと思います。将来的には、カフェに限らず他の形態にも広まってくれることを期待します。(佐々木 康裕)

最終選考に選出された取り組み

グランプリ・部門賞に表彰された8件の取り組みのほか、最終選考まで選出された15件の価値ある取り組みを紹介いたします。

キャリア部門

ワークスタイル部門

ワークプロセス部門

ニューカルチャー部門

エンプロイー ベネフィット部門

ダイバーシティー&インクルージョン部門

ダイジェストムービー

2021年初開催の「WORK DESIGN AWARD」 から紐解く、働きやすさの最前線

本アワードの最終審査会や授賞式の様子、受賞者インタビューをダイジェストムービーにまとめました。さらに、審査員一同から大きな注目を集めたパプアニューギニア海産の現地取材の様子、アワードの審査を終えた審査員のみなさんへのインタビューも収録。ぜひ前後編ともにご覧ください。

前編

後編

WORK DESIGN AWARDを主催している「SmartHR 働くの実験室(仮)」プロジェクトのnoteでも、受賞者のみなさんへのインタビューを実施し随時掲載していきます。

審査員総評

伊藤 羊一

Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長

ずっと、泣きながら審査をしていた。取り組み一つひとつで、実行されたみなさま方の想いがビンビンと伝わったし、そのチャレンジによって恩恵を受けた社員や他の皆さんの笑顔が浮かんできて、感激のあまり泣き続けた。受賞エントリーのみならず、全ての取り組みが尊く、これが全国津々浦々で様々な形で展開されていけば、この社会はきっと、笑顔で溢れる。日本は捨てたものではないな、と思えた。ありがとうございました。

佐々木 康裕

Takramビジネスデザイナー/Lobsterr Publishing共同創業者

労働観をアップデートする、というのは自分自身が大事にしているテーマでもあります。今回、多く集まった事例を通じて、働く場所、相手、期間、コミュニケーションのスタイルなど多様な観点で、これまで常識とされてきたような働き方から自由になれるのだ、ということへの確信を持つことができました。来年以降も楽しみにしています。

副島 智子

株式会社SmartHR 執行役員/SmartHR 人事労務 研究所 所長

コロナウィルス感染症拡大により、働き方の価値観が一気に変わりました。これまではワークの中にライフがあったような生活から、ライフの中にワークを位置づけたりと、考え方が変わってきている方も多いことでしょう。一人ひとりの働き方に対する価値観は多様になり、その価値観を最大限に生かすためにはどうしたらいいか、多くの会社や働く人が向き合っていることを今回のAWARDで改めて実感しました。未来を切り開こうとする意思も感じ、とても温かい気持ちになりました。

浜田 敬子

ジャーナリスト/前Business Insider Japan統括編集長/元AERA編集長

審査員一同が感じていた「こうなればいいよね」という組織と個人の関係性、あり方が驚くほど一致したことが印象的でした。目指すべき世界は、企業側が働き手を信頼して一人ひとりが主体的に働けること、個人の幸せで豊かな生活があってこそ企業も成り立つのだという思想があるかどうか。キーワードは「働き方の民主化」でした。今回選ばれた企業や組織は、どこもその価値観を体現していることが評価されたと思います。受賞されたみなさま、ぜひ今後も「職場のロールモデル」として、その価値観や実践方法を広めていってください。

龍崎 翔子

L&G GLOBAL BUSINESS, Inc.代表/CHILLNN, Inc.代表

全体を通じて、想いを持って働き方を変えていこうという気概に満ち溢れた企画がたくさん寄せられており、日本の当たり前が変わっていくことを実感しました。総じて、「雇うー雇われる」という関係性や、「従業員は管理されるもの」という価値観を打破しようとする試みが多く、(もちろんその実現には様々な前提条件があることは承知の上で)企業にとっても、働く個人にとっても明るい未来が広がっていることを感じました。多くのご応募をありがとうございました。

主催者より

今回が初開催となったWORK DESIGN AWARD。
事前の想定を遥かに上回る114件ものご応募をいただいたことに心より感謝申し上げます。価値ある取り組みの数々、1件ずつ大切に読ませていただきました。
見事受賞された8組のみなさま、誠におめでとうございます!

受賞された取り組みを筆頭に、今回ご応募いただいた多くの取り組みに共通していたのは、「働く」という営みを、より人を生かす豊かなものへと変えていこうとする強い意思だったように思います。
多様な特性やニーズを持つ一人ひとりに寄り添い、力を引き出すにはどうしたらよいのか。組織と働き手は、どのような関係を結んでいくべきなのか。
今、多くの日本企業が直面しているであろう問いに向き合い、形骸化した慣習や枠組みを打破しようとしたそれぞれのチャレンジから、たくさんの希望や示唆をいただきました。
この場で見つけた兆しをこれから社会に広く届けていくことが、主催である私たちSmartHRの責務だと感じています。

沢山のご応募ありがとうございました!
また次回、新たな働き方と出会えることを楽しみにしております。